里塚・美しが丘地区センター(札幌市清田区里塚2条5丁目1-1)で10月19日(木)、「清田の地形から学ぶ物知り講座」が行われました。
これは、里塚・美しが丘地区センター主催で、あしりべつ郷土館の協力で開催した講座です。20名近い地域住民が熱心に耳を傾けました。
はじめに、郷土史家の了寛紀明氏が「清田区の地名・厚別(あしりべつ)の語源」と「清田地域の地層の形成」について発表しました。
了寛氏は、約4万年前に噴火した支笏火山により、広い範囲で火山灰や軽石が降り、今の清田地域の地層を造り上げたと説明。これが、数千年の風雨や河川の浸食等で、清田区の地盤が形成されたと話しました。
明治になって清田の開拓が始まり、樹木は伐採され稲作や畑作などの耕作地になり、ついには住宅地となって、本来の地形の姿は見えなくなったとのことです。
続いて、「ひろまある清田」の川島亨代表が2018年9月の北海道胆振東部地震における清田区の宅地崩壊、住宅被害について、「清田区の地震被害 昔の地形から読み解く」と題して解説しました。
あの地震で清田区では特に里塚(三里川)、美しが丘南公園周辺(三里川)、美しが丘地区霊園隣接地(三里川)、清田中央地区(清田川)、平岡(二里川)、清田通清田2条2丁目(トンネ川)などで、液状化による地盤沈下、宅地崩壊、家屋損壊などの被害が多発しました。
カッコ内は各被害地域をかつて流れていた川で、昭和50年代の宅地開発で川は埋め立てられ、暗渠河川にしたりして、川がどこを流れているのか一般には分からなくなりました。
川島代表は、いずれの被害地も、かつて川が流れていた谷を、周囲の山(尾根)を削って火山灰質の土で埋め立てた土地だったという共通点が見られると指摘しました。
その後、里塚や美しが丘、清田中央地区では、札幌市により地盤強化や地下水位低下などの対策工事が行われ、完了しています。
NHKの人気番組「ブラタモリ」は、地形からその町の歴史やまちの成り立ちを解き明かす番組ですが、今回の講座は、ちょっとその手法を取り入れたような企画でした。